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11月11日(金)22時15分から八丁座で『市川崑物語』が上映され、上映後に、岩井俊二監督によるトークショーが行われました。聞き手は映画コメンテーターの鈴木由貴子さんです。
八丁座の幕の間から岩井監督が現れると会場は拍手でいっぱいに。「とてもユニークで面白い劇場ですね」と監督が劇場を見渡していると 「江戸時代の芝居小屋をイメージした劇場で、椅子と音にこだわった世界最高の映画館です」と八丁座のデザインを手がけた部谷さんが熱く語りました。
「市川崑さんの『犬神家の一族』のリメイクが作られた後、メイキング作品を作ろうとしたときに面白い映画のプランを思いついたので、プロデューサーと相談してこの企画が始まる事になった」とこの映画を作られた岩井監督が映画製作のきっかけを語りました。「ただ、実はメイキングでの映像はほとんど使っていないんですよね」と苦笑い。「この作品は意外な感じで、観た事がない映画だと思います。見どころは音楽のポジションが重要なところ。音楽がリードしていく映画で監督の気に入ったスコアも入っている。映画上映後、結構泣かれているお客さんがいたので今夜も半数以上のお客さんが泣くんじゃないかと思っています。映画が終わったらお会いしましょう」と岩井監督の挨拶が終わり、映画が始まりました。
作品上映後は、「本日、りりィさんが亡くなられて涙腺が弱ってるせいか結構泣いてしまった」とトークショーが始まりました。 「『犬神家の一族』以降のファンだったので、それ以前の作品はあまり記憶がなかった。このドキュメンタリーを作るにあたり、初めて知ることが多く色々な物が見えてきた」と製作し始めた頃を語られていました。
「中学2年生の頃横溝正史にはまっていましたが、映画『犬神家の一族』を観てタイトルバックと音楽が流れた瞬間、横溝ファンから市川ファンに変わった。当時は大作映画ブームに切り替わるころじゃないかなと思うが、見終わってもう一度見ました」と『犬神家の一族』との鮮烈な出会いを感慨深く話されました。
市川監督との出会いは、「共同監督をやらないかと誘われ、『本陣殺人事件』を製作することになり脚本も書きましたが市川さんは納得されず、なくなってしまいました」と市川監督との思い出を語られトークショーは終わりました。