広島国際映画祭 HIROSHIMA INTERNATIONAL FILM FESTIVAL

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2016/11/12

『愛の群島』トークショー

11月12日(土)18時から広島市映像文化ライブラリーで「愛の群島 L’Archipel des amours」が上映されました。

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まずは、今年86歳を迎えるポール・ヴェッキアリ監督がスタイリッシュに登壇。「この作品について語ることは難しい」と前置きし、「70年代終わりに私は仲間と一緒に、『ディアゴナル(対角線の意)<1976年にヴェッキアリ監督が仲間と設立した映画製作会社>』というタイトルの雑誌を作りたいと思っていた。仲間のほとんどは監督であり、批評家でもあったので、雑誌の前半は映画の批評を。後半は好まない監督・作家を呼んでラウンド・テーブルを行い、どうして好きではないかを礼儀正しく説明しようという月刊誌を企画した。しかし多数決により、雑誌ではなく、今オムニバス映画を作ることになった。結局、映画は大失敗。ディアゴナルも転落の一途をたどることに…」と、コメントに余韻を残し、上映がスタートしました。

本作は、愛の訪れと消失に直面した混乱という、同じテーマをめぐるオムニバス作品。監督&脚本:ジャン=クロード・ビエット『ポルノスコピー』、セシル・クレルヴァル『謎』、ジャック・ダヴィラ『大騒ぎ』、ミシェル・ドラエ『サラ』、ジャック・フレネ『行為的表出』、ジェラール・フロ=クターズ『ジョゼットのおやつ』、ジャン=クロード・ギゲ『訪れた女』、マリー=クロード・トレユー『ルルド、冬』、ポール・ヴェッキアリ『複数の男性単数』の9本の短編です。

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上映後は、ヴェッキアリ監督とともに、出演女優のフランソワーズ・ルブランさんも登壇。ジャン=クロード・ビエット監督作『ポルノスコピー』に出演したルブランさんは「出演者、スタッフ全員が熱にうなされたように撮影して、それぞれ考え方は違ったとしても、ファミリーのようなつながりがあった」と振り返りました。ヴェッキアリ監督は「『ポルノスコピー』のジャン=クロード・ビエット監督が、仲間の中でも一番私に近い人だと思う。言葉遊びを楽しんだり、まじめなものの後ろに潜む笑いを追求したり。電話では2時間も話がはずむこともあった。今作のタイトル『愛の群島 L’Archipel des amours』も彼のアイデア。私にとって一番ディアゴナル的存在」と話されました。

会場から「9本の中のどの作品が好きか」という質問に対して、ヴェッキアリ監督は「9作品すべて好き。それは、父親に9人いる子どものうち、どの子どもが好き?と聞かれているのと同じ」とニッコリ。
また会場となった広島市映像文化ライブラリー1Fでは、写真展「映画集団ディアゴナルの軌跡」開催中。ヴェッキアリ監督自身も〝忘れていた〟と懐かしまれるほど、貴重な写真がそろっていますので、こちらも必見です。18日(金)まで開催。

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