広島国際映画祭 HIROSHIMA INTERNATIONAL FILM FESTIVAL

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2015/12/28

日本プレミア『アラビアンナイト第三部』の上映後、ミゲル・ゴメス監督によるトークショーがありました。

日本プレミア『アラビアン・ナイト 第三部』上映後、ミゲル・ゴメス監督と映画批評家 赤坂太輔さんのトークショーがありました。

1123_10_AN_03大作の最終章となる第三部が上映され、赤坂さんからの「個人的には第三部が好きです」という感想からトークショーは始まりました。「ミュージカル的で明るいようですが、大人たちのドキュメンタリーへの転調が鮮やかです。ドキュメンタリーの時間が長いと思いますがどうでしょうか」という質問に、「とても良い見方をしていますね」と監督。「私も第三部が好きです。確かにドキュメンタリーに長い時間を使っています。ミュージカルのパートは数日で撮影しましたが、鳥のコンテストの部分は数ヶ月撮影したので膨大なデータがあり、自由に編集することができました。三つのパート分けることで、大変面白い感じに仕上がりフィクションに対する欲望を描くのに効果的でした」と解説。
キャスティングを担当されたモーリンさんは、「私がキャスティングをしたのは第三部の1話目です。2014年の夏に監督から連絡をもらい、ロケーションハンティングも兼ねて100人のオーディションを行いました。シナリオがなかったので、この物語をどのように撮るのか、監督にオーディションした様々な女性を見てもらいました」とエピソードを披露されました。
監督は「モーリンは第三部にでてくる鳥を捕まえる人と同じ存在です。彼は様々な鳥を捕まえコレクションし、鳥の奇麗な歌声を聴かせてくれます。モーリンも同じようにいろいろな人物をコレクションし、私に見せてくれます。そうすることで様々なアイデアがでてきました。モーリンがいたからこそ、この作品はできました」と功績をたたえられました。

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劇中に流れる音楽が変わっていく事については、「様々な異なるリズムを取り込むことで、アラビアンナイトの伝説的な物語を日常に近づけたかった。普段忘れられているが、地上の人物が伝説を作ることができることを見せたかった」と演出のこだわりについて、監督は熱く語られました。
映画の見方のアドバイスについて聞かれると、「映画が誕生して100年になるが、映画が見せるすべては信じて欲しくない。映像と音声が合わないことで観客に対し困惑が起こる事が短所だとすると、この作品の長所は観客が自由に考える事が出来る事です。固定観念にとらわれずに見て欲しい」とアドバイス。
あっという間に時間は過ぎ、監督からは「映画祭に携わった人たち、自分をサポートしてくれた人たち、通訳した人に感謝します」という心のこもった挨拶がされ、会場に詰めかけたファンも満足げな様子でした。

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