広島国際映画祭 | HIFF » ニュース http://hiff.jp Wed, 15 Apr 2020 09:46:29 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=3.9.32 大林宣彦監督 広島国際映画祭2019で熱く語る http://hiff.jp/archives/8387/ http://hiff.jp/archives/8387/#comments Mon, 13 Apr 2020 08:11:08 +0000 http://hiff.jp/?p=8387 昨年の広島国際映画祭2019(11月22日~24日)に、大林宣彦監督をゲストとしてお招きしました。病と闘っておられる状態で、広島においでいただくのは無理なお願いとは承知していましたが、平和への願いが強く込められた新作『海辺の映画館-キネマの玉手箱』に『ヒロシマ平和映画賞』を授与すると共に、是非とも映画祭で披露していただきたく、併せて監督の名作を紹介する『大林宣彦監督セレクション』を実施することも切望しました。ありがたいことに、大林監督は参加を受諾してくださいました。

開催に際しては、ゲストによる広島平和祈念公園での慰霊碑献花に参加してくださり、その後の開幕式は待ちかねた多くのファンの歓声に迎えられて笑顔で登壇していただくなど、映画祭(HIFF)のスタート時より参加してくださいました。

実施した監督の全プログラムのトークショーでは映画への熱い思いを語ってくださり、『ヒロシマ平和映画賞』授与式では〝映画とは未来を平和にするための最上の方法″と力強く宣言してくださいました。

一昨年夏、広島県内では大きな水害による被災があり、広島の映画ファンをなんとか元気づけたいとの願いを込めた映画祭でしたが、監督の力強い言葉に来場者が力づけられたであろうことは言うまでもありません。

2020年4月10日、逝去された大林宣彦監督への敬意と感謝を込めて、改めて映画祭においでいただいたことへの感謝と監督の熱いメッセージを今一度振り返って功績を称えたいと思います。

合掌
広島国際映画祭代表 部谷 京子

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2019.11.22

『大林宣彦監督セレクション』
『野のなななのか』上映と大林宣彦監督トーク ~広島で映画を語る意義~

広島国際映画祭(HIFF)11周年にして初登場となる大林宣彦監督のトークショーが、16:00から広島市映像文化ライブラリーでありました。映画祭期間中で大林作品は5回上映されますが、その第1回目となります。
『野のなななのか』を観客と一緒に見た大林監督が、客席から登場してトークショーは始まりました。聞き手は映画コメンテーターの鈴木由貴子さんです。
監督はまず映画祭招待への謝辞を述べ、続いて1990年代から原爆に関する映画を撮り始めたことを話し始めました。この10年間を振り返り、原子力の勉強や研究をして「原子力反対という思いが強くなり、やめたほうがいいと思うようになった」と語りました。広島で映画について語ることを誇りに思っていると話し、途中からトークに参加した監督作品の出演女優も「同じ映画も広島で見ると見え方が違う」と、HIFFで上映される意義を感じたと話しました。

 


 

『異人たちとの夏』上映&大林宣彦監督トーク ~撮影エピソード語る~

HIFF 2019の2日目、広島映像文化ライブラリーで『大林宣彦監督セレクション』3本目となる『異人たちとの夏』(1988)が上映されました。上映後、映画コメンテーターの鈴木由貴子さんが大林監督のプロフィールを紹介後、会場いっぱいの拍手に迎えられて監督が登壇されました。
『異人たちとの夏』がセレクションに選ばれた理由をたずねられると、「この映画はファンが多く、自分でもよくできた作品だと思っています」と回答。「うちの俳優さんは映画を自分のことと考えて出演しています。撮影現場に台本を持ってくる俳優さんはおらず、みんな頭の中に入れてきますよ」と出演者のエピソードを紹介。「映画の設計図のような撮影台本はありませんが、役者さんたちはそれぞれ自分で撮影台本を(頭の中で)作っています。僕が言わなくても自分の撮影場面でもない時に必ず現場にいてくれます」と、映画現場についても話しました。
『野のなななのか』撮影時には、「安達祐実さんを撮っていた時、背後から彼女のセリフが聞こえてきたので振り返ると常盤貴子さんがいた。そこで二人を共演させないわけにはいかないと思い変更した。映画のポスターもこの時生まれました」と、演出法についても語りました。
親しい山田洋次監督に「僕の映画は自由に成長しているから、処女作も引退作もないと評価してくれる。誰もやっていないことをやり続けるのが僕の作品」と熱のこもった話は途切れることなく、時間を忘れたトークショーとなりました。

 


 

2019.11.23

『大林宣彦監督セレクション』
『あした』上映&大林宣彦監督トーク ~恭子プロデューサーを交えてロケハンエピソード披露~

11月23日(土)14:00から広島市映像文化ライブラリーで、『大林宣彦監督セレクション』最終作品『あした』(1995)の上映会とトークショーが始まりました。聞き手は鈴木由貴子さん(映画コメンテーター)です。
“新尾道三部作”の第2作『あした』(1995)の上映後、ステージに大林監督が車いすで登場。夫人の恭子プロデューサーを交えてのトークショーとなりました。
恭子さんが「舞台となる砂浜を1か月かけて探し回りましたが、尾道から一番近い向島(むかいしま)に決まりました。監督がとても気に入りセットもすべて設営しました」と懐かしそうに話すと、大林監督は「原作は湖が舞台でシナリオは原作通りですが、撮影は海辺で行いました」と紹介。二人で制作した作品のさまざまな撮影エピソードが披露されました。
『大林宣彦監督セレクション』では計4本の作品が上映され、大林監督は毎回トークショーに登壇。会場を埋め尽くしたファンにとって、映画制作への熱い思いを監督から直接聞くことができたことは貴重な時間だったに違いありません。「これからも映画を作り続けてください」という司会の鈴木さんが監督に声をかけると。賛同する大きな拍手でトークショーは終了しました。
いよいよ明日24日14:30からNTTクレドホール第一会場で、最新作『海辺の映画館-キネマの玉手箱』が上映されます。

 


 

 

『野ゆき山ゆき海べゆき』上映&大林宣彦監督トーク ~常盤貴子さんHIFF感謝

11月23日(土)10:30から広島市映像文化ライブラリーで、『野ゆき山ゆき海べゆき』が上映されました。
主人公の総太郎(林泰文)は、年上の少女・お昌ちゃん(鷲尾いさ子)に思いを寄せ、ガキ大将たちと戦争ごっこを繰り広げる。原作は佐藤春夫の小説『わんぱく時代』。
上映後、大勢の立ち見客に囲まれた満席の会場から割れんばかりの拍手が沸き起こり、監督の大林監督がステージに登場。トークショーが始まりました。聞き手は鈴木由貴子さんです。
広島県尾道市出身の大林監督は「映画は他人事ではなくすべて自分事、戦争を二度と起こしたくない」とコメント。「本当に作りたい映画は400年かかるので、続きは大林監督に頼む」と黒澤明監督から想いを託されたとも話しました。トークショー中盤には、客席から監督作品への出演が続く常盤貴子さんが登場して「大林監督のファンで、『ふたり』と『さびしんぼう』が特に好きです」とにっこり。「映画祭で作品を同じ気持ちで観ることができる。それこそが平和であり広島国際映画祭に感謝しています」と語り、客席からは拍手が沸き起こりました。
監督は「人間がやりだしたことに集大成はない。いつも過去と違うことをするから平和になっていく。未来の自由を失ってはいけない、命がけで映画をつくる」とメッセージを残しました。

 


 

2019.11.24

『海辺の映画館-キネマの玉手箱』上映とトークショーに続く「ヒロシマ平和映画賞」授賞式
~〝映画とは未来を平和にするための最上の方法″と大林監督は力強く語った~

広島国際映画祭2019(HIFF)クロージング作品は、大林宣彦監督の最新作『海辺の映画館~キネマの玉手箱』です。
物語は、閉館の日を迎えた尾道の劇場で映画を見ていた3人の若者がスクリーンの世界に入り込み、江戸末期から日中戦争、沖縄戦、そして原爆投下直前の広島へとタイムトラベルします。慰問のため広島にやって来た移動劇団「桜隊」の丸山定夫、園井恵子らを助けようとしますが…、中原中也の詩を散りばめながらSF、サイレント、ミュージカル、時代劇、アクションと奇想天外な映像が繰り広げられる3時間におよぶ大作です。
上映直後、満員の入場者の拍手に迎えられて大林宣彦監督が車椅子で登壇。多くの報道陣も詰めかけたトークショーが、映画コメンテーター 鈴木由貴子さんの司会で始まりました。
大林監督は「皆さん、今日はおめでとうございます。そして、ありがとうございます」と語り始め、「新しい時代は若者たちがつくります。ここ広島で死ななければならなかった多くの人々の命を決して忘れないことが、未来の平和をつくる唯一の方法です。やり遂げましょう!」と力強く呼びかけました。その後、大林監督が出演女優二人を呼び込むというサプライズに会場は騒然。急きょ駆けつけたという主演の新人・吉田玲さんは「広島で観るとなんだか不思議な気持ちです」と声と手を振るわせながら話し、桜隊の園井恵子を演じた常磐貴子さんは「桜隊の碑に手を合わせたら、園井さんが実在されたことを実感して…」と声を詰まらせ「平和だから映画を作れる、お芝居ができることに感謝したい」と熱く語りました。壇上には大林監督作品をプロデューサーとして支え続けた夫人の大林恭子さんも登場して作品の協力者らを呼び込み、にぎやかなトークショーとなりました。
トークショーに引き続き「ヒロシマ平和映画賞」授賞式が行われ、山本一隆実行委員長より賞状と副賞が渡されました。大林監督は感慨深げに表彰状の文面を読み上げ「世界が求める映画を作らせていただき、それが認められて嬉しい」と謝辞を述べました。
大林監督にとって映画とは未来を平和にするための最上の方法で、「映画の力をみなさんが求めているということ。受賞を祝いたい」と受賞の喜びを何度も表しました。8月6日に広島で亡くなった人たちへも思いを馳せ「彼らの命を決して忘れないことが平和をつくります。やり遂げましょう」と平和へのメッセージを発信しました。
パートナーとして長年支えてきた大林恭子プロデューサーは、「地域で映画を作るのはとても幸せなこと」と、制作に関わった人々に感謝を述べました。大林監督は「みなさんがいたから映画を作る事ができた。個人的に賞を出したいくらいです」と付け加えると、会場は盛大な拍手に包まれました。

※広島国際映画祭2019公式HP NEWS記事再編集
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大林宣彦監督逝去 http://hiff.jp/archives/8385/ http://hiff.jp/archives/8385/#comments Sat, 11 Apr 2020 05:27:17 +0000 http://hiff.jp/?p=8385 大林宣彦監督ご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げますとともに
心よりご冥福をお祈り申し上げます。

広島国際映画祭代表
部谷 京子

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閉幕式とコンペティション受賞作の表彰式が行われました http://hiff.jp/archives/8264/ http://hiff.jp/archives/8264/#comments Sun, 24 Nov 2019 12:52:54 +0000 http://hiff.jp/?p=8264 IMG_3249

11月24日(日)19:00よりNTTクレドホール第1会場で、閉幕式と国際短編映画コンペティション受賞作の発表、表彰式が行われました。 進行はフリーパーソナリティのキムラミチタさんと、通訳のポーリーン・ボールドウィンさんです。

まず、広島国際映画祭2019実行委員長・山本一隆と、湯崎英彦・広島県知事(代読:広島県環境県民局文化芸術課・岡村恒課長)から閉幕挨拶があり、続いて世界中から届いたノミネート作品・6作品で競う国際短編映画コンペティションの各賞が発表されました。

観客の投票で一番評価が高かった作品に贈られる観客賞は、リンゴ・イエ監督の『游さん100歳』が受賞。イエ監督は、2016年に観客賞とヒロシマグランプリをダブル受賞して以来となります。
審査員が心に残った作品を選ぶ審査員特別賞にはリカルド・ソト監督の『聖火』が選出されました。
広島国際映画祭の象徴として最もふさわしい作品とされる栄えあるヒロシマ・グランプリは『ミリオン・アイズ』が選ばれ、昨年に引き続きリチャード・レイモンド監督の受賞となりました。

受賞者には広島国際映画祭オフィシャルキャラクター「HIFFY」のトロフィーが贈られました。
審査員長のアミール・ナデリ監督は選考が難航したと語り、今回はノミネートされなかったが、女性監督による作品や、もっと多くの作品で競われるようになれば、と締めくくりました。

最後に、当映画祭の代表・部谷京子が「ポジティブな力を持つ作品を、世界中から集めた映画祭」をコンセプトにこれまでやってきたが、大林宣彦監督の平和への強い思いに共鳴し、未来を平和にする力のある映画祭を目指したい、と宣言し、3日間開催された広島国際映画祭2019が幕を閉じました。

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広島国際映画祭2019コンペティション受賞作品決定! http://hiff.jp/archives/8037/ http://hiff.jp/archives/8037/#comments Sun, 24 Nov 2019 11:36:55 +0000 http://hiff.jp/?p=8037 広島国際映画祭2019の受賞作品は以下のように決まりました。受賞監督の皆さんおめでとうございます。

【ヒロシマグランプリ】
リチャード・レイモンド 監督
『ミリオン・アイズ』[製作国 アメリカ合衆国・イギリス]
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© NouChi Productions

【審査員特別賞】
リカルド・ソト 監督
『聖火』[製作国 メキシコ]
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【観客賞】
リンゴ・イエ 監督
『游さん100歳』[製作国 中国]
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ヒロシマ平和映画賞授賞 http://hiff.jp/archives/8193/ http://hiff.jp/archives/8193/#comments Sun, 24 Nov 2019 09:30:13 +0000 http://hiff.jp/?p=8193 IMG_2330

11月24日(日)18:00ごろよりNTTクレドホール第1会場でヒロシマ平和映画賞授賞式が行われました。進行は映画コメンテイターの鈴木由貴子さんです。
今年のヒロシマ平和映画賞は『海辺の映画館―キネマの玉手箱』の大林宣彦監督に贈られることになりました。舞台の袖から大林監督が現れると、会場からは大きな拍手が起きました。
受賞者はみなさんです、と大林監督は会場のたくさんの観客に感謝の気持ちを伝えました。この作品は尾道の映画館が舞台。若い男性3人が映画の中の世界に入り込み、中国戦線、沖縄、そして原爆投下前の広島に行き、数多くの死に直面します。大林監督にとって映画とは未来を平和にするための最上の方法であり、「映画の力をみなさんが求めているということ。受賞を祝いたい」大林監督は受賞の喜びを度々表しました。
大林監督は壇上で、8月6日に広島で亡くなった人たちに思いをはせます。彼らの命を決して忘れないことが平和をつくります。やりとげましょう、と大林監督は平和へのメッセージを発信しました。
大林監督作品のプロデューサーとして長年制作に関わってきたパートナー、大林恭子プロデューサーは、この映画の制作に関わった人々に感謝の言葉を表しました。「地域で映画を作るのはとても幸せなこと」尾道、唐津、芦別。会場には、この映画や過去の大林監督の映画の制作に関わった方々がいらしていました。「みなさんがいたから映画を作る事ができた。個人的に賞を出したいくらいです」と大林監督。
映画ファンのみなさん、バンザイ、との決めポーズで会場は盛大な拍手に包まれました。

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『海辺の映画館-キネマの玉手箱』上映後、大林宣彦監督によるトークショーが行われました http://hiff.jp/archives/8190/ http://hiff.jp/archives/8190/#comments Sun, 24 Nov 2019 09:00:19 +0000 http://hiff.jp/?p=8190 02_Labyrinth_001

広島国際映画祭2019の最終上映作品は大林宣彦監督の最新作『海辺の映画館~キネマの玉手箱』です。閉館の日を迎えた尾道の劇場で映画を見ていた3人の若者がスクリーンの世界に入り込み、江戸末期から日中戦争、沖縄戦、そして原爆投下直前の広島へとタイムトラベル。慰問のため広島にやって来た移動劇団「桜隊」の丸山定夫、園井恵子らを助けようとするが…、中原中也の詩を散りばめながらSF、サイレント、ミュージカル、時代劇、アクションと奇想天外な映像が繰り広げられる3時間におよぶ大作です。

上映直後、満員の入場者の拍手に迎えられて大林宣彦監督が車椅子で登壇。多くの報道陣も詰めかけたトークショーが、映画コメンテーター 鈴木由貴子さんの司会で始まりました。
大林監督は「皆さん、今日はおめでとうございます。そして、ありがとうございます」と語り始め、「新しい時代は若者たちがつくります。ここ広島で死ななければならなかった多くの人々の命を決して忘れないことが、未来の平和をつくる唯一の方法です。やり遂げましょう!」と力強く呼びかけました。その後、大林監督が出演女優二人を呼び込むというサプライズに会場は騒然。急きょ駆けつけたという主演の新人・吉田玲さんは「広島で観るとなんだか不思議な気持ちです」と声と手を振るわせながら話し、桜隊の園井恵子を演じた常磐貴子さんは「桜隊の碑に手を合わせたら、園井さんが実在されたことを実感して…」と声を詰まらせ「平和だから映画を作れる、お芝居ができることに感謝したい」と熱く語りました。
壇上には大林監督作品をプロデューサーとして支え続けた夫人の大林恭子さんも登場して作品の協力者らを呼び込み、にぎやかなトークショーとなりました。

檀上では引き続き「ヒロシマ平和映画賞」授賞式が行われ、山本一隆実行委員長より賞状と副賞が渡されました。大林監督は感慨深げに表彰状の文面を読み上げ「世界が求める映画を作らせていただき、それが認められて嬉しい」と謝辞を述べました。

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『オオクノシマ』、『トーテムと鉱石』上映後、監督によるトークショーが行われました http://hiff.jp/archives/8202/ http://hiff.jp/archives/8202/#comments Sun, 24 Nov 2019 06:00:36 +0000 http://hiff.jp/?p=8202 IMG_2315

24日(日)14:30から広島市映像文化ライブラリーで『オオクノシマ』と『トーテムと鉱石』の上映、フリッツ・シューマン監督とジョン・マンデルバーグ監督のトークショーが開かれました。『オオクノシマ』は、アジア最大の毒ガス製造工場が存在した大久野島の真実を追求した作品。『トーテムと鉱石』は広島の原爆と、知られざるアボリジニ(オーストラリア大陸と周辺島しょの先住民)の被爆とウラン鉱山の話です。

上映後、フリーアナウンサー藤井尚子さんの司会、ポーリーン・ボールドウィンさんの通訳でトークショーが始まりました。 作品を作るきっかけは、という問いかけに、シューマン監督は、広島に交換留学で来た時に知った大久野島のことを掘り下げたかったからと答えました。 マンデルバーグ監督はアボリジニの真実を描いたB・ウオンガの著書を読んで衝撃を受けたからとのこと。 お互いの作品について感想を聞かれると、シューマン監督は「戦争は終結しても、関わった人には終りがないことが描かれているのは自分の作品と近い気がする」と感想を言いました。マンデルバーグ監督は「ドキュメンタリーは実際に経験した人を歴史に残す作業。この作品は自分のものとつながる気がする」と語りました。

『トーテムと鉱石』の中で、アボリジニのリーダーが「福島原発は自分たちのウラン鉱石を使っていたから、あの事故には責任がある」と語ったシーンが印象的だったという観客からの感想に、マンデルバーグ監督は満足そうでした。来広中(11月24日)のローマ教皇に対して何かメッセージをとの問いかけに、2人は広島・長崎を知らない人々に実情を広めてほしいと答えました。

最後に「この映画祭を通して、二つの作品が世界で公開されたら意義がある」と藤井アナウンサーが締めくくりトークショーは終わりました。

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『湯を沸かすほどの熱い愛』(バリアフリー)上映と音楽監督 渡邊崇さんによるワークショップ「映画音楽」とは http://hiff.jp/archives/8182/ http://hiff.jp/archives/8182/#comments Sun, 24 Nov 2019 04:00:55 +0000 http://hiff.jp/?p=8182 1P2A2657

11月24日(日)10:30より、NTTクレドホール第一会場で『湯を沸かすほどの熱い愛(バリアフリー版)』が上映されました。本作は、余命わずかの双葉(宮沢りえ)が娘や別居中の夫、偶然出会った人など様々な人を繋ぎ、双葉によって繋がれた人々が究極の愛を込めて双葉を葬ることを決意するまでの、タイトル通り愛のお話。上映後、本作の音楽監督で作曲家の渡邊崇さんのトークショーが行われました。聞き手はフリーアナウンサーの桑原しおりさん。手話通訳 字幕ありのトークショーでした。広島市出身の渡邊さんですが、広島国際映画祭への参加は初めて。普段もステージで話す機会が「ないです。裏方なので」と、裏方のお話を聞ける貴重なトークショーでした。

上映に先立つ23日(土)、渡邊崇さんによるワークショップ「広島国際映画祭で音楽を聴きながら文章を読む、その音楽を変えると文章の印象はどう変わるか」が行われました。音楽を変えると文章、演技、映像も変わって見えると解説しました。映画音楽は「監督が伝えたいこと、役者のやりたいことが1秒1秒ある。その最後の一押しが音楽」と考えていると明言。そのために撮影現場の写真を埋め尽くしたアトリエで1つの映画につき100曲ほど作る、役者の声と合う楽器を探す、観客が物語に没入できるよう音楽は演技を邪魔しないようにするなど映画音楽の奥深さを解説しました。これからの映画界について尋ねられると、「最近は配信も多いが映画はやっぱり映画館で見てほしい。映画館では、みんなで同時に笑ったり、泣いたりその場を共有できるから」と答えました。映画祭で『湯を沸かすほどの熱い愛』を見た後のお客さんも共感する言葉だったのではないでしょうか。
「この後ロビーにいますので、話しかけてください」と渡邊さんが観客に声を掛け、あたたかい雰囲気でトークショーが終了しました。

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VRで体験する原爆ドームの内部 http://hiff.jp/archives/8277/ http://hiff.jp/archives/8277/#comments Sun, 24 Nov 2019 02:05:55 +0000 http://hiff.jp/?p=8277 GenbakuDome_MainImage

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原爆ドーム(元広島県産業奨励館)は原子爆弾に爆心地付近で被災しながらも奇跡的に全壊を免れた建物ですが、現在一般的な立ち入りは禁止されています。ミック・ブロデリック監督とスチュアート・ベンダー監督は広島フィルム・コミッションの協力のもと、VR(バーチャルリアリテ)映像を使用することで疑似的な原爆ドームの内部見学を可能にしました。広島国際映画祭ではブースを設け、観客の皆さんにVRを体験していただきました。
製作者であるミック・ブロデリック監督とスチュアート・ベンダー監督にお話を聞くことができました。通訳はルートニック・リアさんと池上茉莉さんです。

原爆ドームのVRを作ろうと思ったきっかけは?との問いに、ブロデリック監督は、「原爆ドームには沢山の観光客が訪れますが、建物の内部を見ることはできません。多くの人に建物の内部まで見てほしいと思ったからです。原爆の悲惨さや、建物が奇跡的に残ったということに目を向けてほしいです」と語りました。
ベンダー監督は「元々2015年に別のプロジェクトのために原爆ドームのパノラマ3Dの映像を撮っていたのですが、当時はテクノロジーの限界から使い道が限られていました。技術が進み、今ならVRに応用できるのではないかと思ったのがきっかけです」と話しました。
広島国際映画祭のために作ったこの作品によって平和の重要性と英語を同時に学ぶことができるため、沢山の学生や生徒に見てほしいと、ブロデリック監督。
ベンダー監督は、ダウンロードすれば世界中どこでも体験できることがVR動画の強みであるので、より多くの人に見てもらいたいと希望を語りました。
ブロデリック監督は「ここにくることができて嬉しいです。来場者の皆さんと、また撮影に協力してくれた広島フィルム・コミッションの西崎さんに感謝したいです」と語り、ベンダー監督は「沢山の来場者から感想や反応をもらうことができて嬉しく、光栄です」と話してくれました。

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「もっと映画が撮りたい」小松監督は切実に語りました http://hiff.jp/archives/8160/ http://hiff.jp/archives/8160/#comments Sat, 23 Nov 2019 14:30:07 +0000 http://hiff.jp/?p=8160 DSC_4333DSC_4343

11月23日(土)19:00から、横川シネマで『たまたま』と『もち』の上映と小松真弓監督のトークショーが開かれました。2011年制作の『たまたま』は、蒼井優主演のアートムービー、2020年公開予定の『もち』はドキュメンタリーとフィクションを融合した新感覚人間ドラマです。

上映後、フリーパーソナリティーの三浦ひろみさんの司会でトークショーが始まりました。 名前を間違われて照れながら登場した小松監督、『たまたま』は元々蒼井優さんのイメージDVDとして企画されたものが、紆余屈折の末にアート作品になった制作話を披露されました。「謎をたくさん入れてあるので、機会があったら何度も見て下さい」とさりげなくアピールも。続いて最新作『もち』は、以前から人間ドラマを撮りたく上映予定がないまま作ってしまったと笑わせました。すべての出演者がプロではなく地元住民なのに、あまりに自然な演技だったことには、「彼らとの会話をヒントにセリフ作りしたから違和感がないのでは」と回答。「皆さん自由で約束した時間に来ないことは当たり前、そのたびにCM制作で培った臨機応変の対応が役に立った」と話しました。演出は、素人は2テイクまでがベストで、それ以上は嘘くさくなってくると明かし、閉校する学校の先生のセリフでは、先生が考えてきたものがあまりにひどくて説教したというエピソードを明かし会場は笑いに包まれました。

次回作は、原爆死没者慰霊碑に献水を続けてきた被爆者の宇根利枝さんから言われた「幸せなことや善い行いを後世の人に伝え続けなさい」という言葉を映画で実現していきたいと抱負を語りました。現実には大人の事情でままならないが、あと1本はなんとか撮りたいと強い意欲を示しました。

トーク終了後は、ロビーで突然のサイン会が開かれ「私、サインどころか名刺もないのに」と嬉しそうに書いていました。

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