広島国際映画祭 HIROSHIMA INTERNATIONAL FILM FESTIVAL

2015.11.21 Sat. - 23 Mon.メイン会場:NTTクレドホール

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プログラム

/ Special Screenings特別招待作品

太陽を盗んだ男

上映スケジュール
11月14日(金)18:30から

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太陽を盗んだ男

作品概要

<ストーリー>
 原爆をつくり上げた中学教師が、国家を相手に理不尽な要求を突きつけていく痛快犯罪サスペンス。中学校の理科教師、城戸誠。東海村の原子力発電所からプルトニウムを盗み出し、自宅のアパートで原子爆弾の製造に成功する。城戸は原爆を武器に、警察に対してプロ野球のTV中継を最後まで見せろと要求。続いて城戸は、ローリング・ストーンズの日本公演をラジオ番組を通じて要求するが…。
 99年キネマ旬報「映画人が選んだオールタイムベスト100」日本映画篇で13位、09年「オールタイム・ベスト映画遺産200 日本映画編」日本映画史上ベスト・テンでは、歴代第7位に選ばれている。

<キャスト>
沢田研二 神山繁
菅原文太 佐藤慶
池上季実子 伊藤雄之助
北村和夫 風間杜夫

<スタッフ>
監 督:長谷川和彦
脚 本:レナード・シュレイダー、長谷川和彦
原 案:レナード・シュレイダー
製 作:山本又一朗
プロデューサー:伊地智啓
撮 影:鈴木達夫
美 術:横尾嘉良
音 楽:井上尭之
音楽プロデューサー:多賀英典
録 音:紅谷愃一
照 明:熊谷秀夫
編 集:鈴木晄
助監督:相米慎二
制作助手:黒沢清

監督

長谷川一彦
<プロフィール>
 1946年1月5日、広島県賀茂郡西高屋村(現・東広島市高屋町)に生まれる。教師であった母は原爆投下の翌日に広島市内で放射能を浴び、当時5ヶ月の胎児であった長谷川は胎内被爆。被爆2世という境遇は長谷川の人生観にさまざまな影響を与えた。

 広島市立皆実小学校、広島市立翠町中学校、広島大学附属高校を経て、1964年に東京大学文科三類に入学。アメリカン・フットボールに熱中し、フットボール部キャプテンもつとめる。ゴジラに由来する「ゴジ」の愛称は当時からのもの。東大に5年在学したが、途中、文学部美学科から英文科に転じ、かねて関心のあった映画監督の仕事を志すようになる。

 76年、今村昌平と日活の名プロデューサーであった大塚和の製作でATG「青春の殺人者」を監督。30歳の大物監督デビューとして話題となるが、センセーショナルな題材を図太く且つ繊細な演出で凝視した作品は絶賛を浴び、同年度のキネマ旬報ベスト・テン第1位、監督賞、脚本賞、主演男優賞・女優賞を独占するという快挙をなしとげ、長谷川和彦は一躍時の人となる。

 3年後の1979年にはキティ・フィルムで「ザ・ヤクザ」の脚本家である親日家のレネード・シュレイダーの原案・共同脚本をもとに山本又一朗プロデューサーと組んで監督第2作「太陽を盗んだ男」を発表。日本映画の枠を超えたスケール感と迫力みなぎる演出でエネルギッシュに映像化。前作に続いてキネマ旬報ベスト・テン第2位、読者選出ベスト・テン第1位、毎日コンクール日本映画優秀賞・監督賞をはじめ圧倒的な評価を集める。

 長谷川自身は決して「伝説の監督」の威光に甘んずることなく、あいかわらず新作への闘志をたぎらせている。2014年現在、その長き沈黙は35年にも及ぶが、依然として映画人やファンによる次回作への激しい待望がやまないという稀有な存在である。