ポジティブな力を持つ作品を、世界中から集めた映画祭。

国際短編映画コンペティション ミッキー・ライ監督インタビュー「洗浄」背景はマレーシア社会の葛藤

国際短編映画コンペティションノミネート作品「洗浄」のミッキー・ライ監督へのインタビューです。今回が初めての広島訪問です。

Q:「洗浄」はカラーでなく美しい白黒で撮影されていましたが理由はありますか?

 

A:今回は血が写りますがカラーだと視覚的な要素が強いので、人々の関係性ではなく血に焦点を当ててしまいます。しかし、これは友情についての物語であり、ダイナミックな対立についての物語です。白黒にする事で、少女達のダイナミックな言い合いやキャラクターにフォーカスしたかったのです。

 

二つ目の理由は平等性です。多文化国家であるマレーシアには主にマレー系、中国系、インド系の人々がいます。私たちは皆肌の色が違います。

白黒にする事で肌の色への焦点を避け、すべての個人の間に平等があり、彼らは同じであるように見せようとしているのです。

 

Q:この映画を制作したきっかけは?

 

A:数年前マレーシアの政治情勢は不安定でした。大臣たちが下す決定や声明が馬鹿げているように思え怒りを覚えました。私は10年前もこの映画と似た状況の怒りを持っていました。私は自分自身の中で怒りをたくさん抱えているので、この映画を作ることで私の国を理解しようとしています。

 

Q:マレーシアではイスラム教が多いそうですが、宗教が人々に影響していますか?

 

A:基本の考えやルールの多くはイスラム教が影響しています。

映画の中の先生はマレー人で軍歴があり、その言動は彼女が経歴から得た唯一の方法です。

最後に聖水を持ってきて生徒達に回したこともその一つです。

 

Q:広島国際映画祭へメッセージをお願いします。

 

A:親切にしてくださりありがとう。この世界にはもっと優しさと受容が必要だと思います。それを実現してくれたこのフェスティバルに感謝します。