ポジティブな力を持つ作品を、世界中から集めた映画祭。

国際短編コンペティション マイ・フェン・チー監督インタビュー 〜無国籍コミュニティのリアルな世界〜

11月29日(土)17:40からNTTクレドホール第2会場で国際短編映画コンペティションが開催されました。
国際短編映画監督の1人、マイ・フェン・チー監督が手掛けたのは『川は静かに流れる』
ベトナム・メコン川で暮らす無国籍の女性は、ついに陸地で新たな人生を始めるための法的書類を手に入れたと信じていた。彼女は喜びのあまり、持ち物をすべて人に譲ってしまうが、その書類は無効だった。ベトナムとカンボジアの国境地帯に存在する無国籍コミュニティの証言とフィクションを融合させた作品。自らの国と呼べる場所を持たないアジアの何百人もの人々の心に響き渡る内容になっています。
マイ・フェン・チー監督自身ベトナム出身の脚本家・映画監督です。

自身でメコン川に足を運び、無国籍コミュニティの方に直接インタビュー、そして作品にも出演してもらい、自国で実際に存在する身分証明書やパスポート、名前すらない無国籍コミュニティにフォーカスして作られた作品。
この作品に対して、「直接的なメッセージ性はあえて与えてないが、今この世界に無国籍コミュニティが2万人近く存在するこの事実に目を向け、同じ人間にかわいそうという感情は抱かず、向き合って想像して、感じて欲しい」と述べています。
タイトルを英訳すると“The River Runs Still”
川は今も流れ続けているといった“Still”と、無国籍コミュニティのボートピープル達は今もそこにいるといった“Still”といった2つの意味合いが込められているとのこと。
最後に監督は「第二次世界大戦が終わって80年、ベトナム戦争が終わって50年という節目のタイミングで今回の広島国際映画祭に招待していただき、とても意味があると感じています。」とメッセージを残されました。
現在はこの作品の長編映画も手掛けているそうで、無国籍コミュニティの9歳の女の子が初めて誕生日パーティーを行う内容にフォーカスした作品になっているそうです。