ポジティブな力を持つ作品を、世界中から集めた映画祭。

新県美展受賞作品上映 IKEDA SO-AND-SO監督作品『種子 seed』に込められた思い

11月30日(日)12時から、NTTクレドホール第2会場にて「第13回新県美展」受賞作品が上映されました。
今回は映像系受賞作から、大賞、優秀賞、奨励賞の3作品が上映されました。
大賞を受賞したのは、 IKEDA SO-AND-SO監督の『種子 seed』。昨年に続いて2年連続の大賞受賞となりました。
上映後には、IKEDA SO-AND-SO監督によるトークショーが行われ、被爆80年という節目の年に発表された本作について、制作の背景や作品に込められた思いを伺いました。聞き手は映画コメンテーターである鈴木由貴子さんです。
監督が被爆という重いテーマに正面から向き合ったきっかけは、神戸出身の友人からの言葉だったといいます。2023年に公開された映画『オッペンハイマー』を観た友人が、広島の惨状が描かれていないことに怒りを覚えたという話が心に残ったと語りました。友人の言葉に加え、自身の祖母が被爆者であることも相まって、今こそ向き合ってみる時間だと制作を決意したといいます。
また、今まで手掛けてきた作品とはことなり、被爆というテーマは非常に大きかったとIKEDA監督は語ります。作成に半年以上の時間を費やし「きちんとしたものを10分の時間に込めたい」という思いと、自身の至らなさとの間での葛藤もあったと明かしました。
「すごいものを創ろう」という気負いではなく、平和記念公園に花を添えるつもりで作品を創ったという監督は、同時にこの作品を祖母や母へ「子どもからのお礼」としてささげたいという強い気持ちを抱いていました。
次回作への意気込みを聞かれたIKEDA監督は、被爆というテーマの作品を作成する中で、さらに掘り下げたいテーマが見つかったと明かし、次回作への意欲を見せました。