ポジティブな力を持つ作品を、世界中から集めた映画祭。

4人の映画監督それぞれの個性が見られる映画

11月29日(土)13:20からNTTクレドホール第1会場で『ザ・キラーズ』が上映されました。
キム・ジョングァン監督、ノ・ドク監督、チャン・ハンジュン監督、イ・ミョンセ監督のソウル芸術大学・映画専攻卒の4人による4つの短編エピソード。
今回の作品は、イ・ミョンセ監督の声かけによって同大学の4人で制作されました。
この4エピソードに共通しているのは、アーネスト・ヘミングウェイの短編小説『ザ・キラーズ』をモチーフにそれぞれの監督が解釈して作品が作られました。
また各エピソードにエドワード・ホッパーの絵画『ナイトホークス』や、その舞台セット、主演のシム・ウンギョンが別役で登場するなど、4つのエピソードが所々繋がっているような演出も。

今回トークゲストとしてお越しくださったのはエピソード『変身』のメガホンをとったキム・ジョングァン監督。
過去の広島国際映画祭では『ジョゼと虎と魚たち』(2021)『窓辺のテーブル』(2022)『夜明けの詩』(2023)の作品でトークショーに参加する等、何度も来てくださっています。
過去作ではヒューマンドラマやメロドラマといった愛、記憶、そして感情の繊細な揺らぎをテーマにしていた事が多かったキム監督だが、今回の『変身』では幼少期に観た映画からもヒントを得て、ヴァンパイアや血といったホラーをモチーフにした例外的な作品を手掛けました。
ホラーの中にも少し頬が緩むようなユーモアな演出も入った観やすい作品に。
過去の作品との共通点は、1つの空間に2人が対話しながら話が進んでいくような演出にする事を心がけたそうです。
キム監督は主演のシム・ウンギョンさんに対して、「彼女はとてもユニークだから適応するのに時間がかかった。
監督は俳優をツールとして使うからユニークな彼女は私にとってとても刺激的な存在になりました。」と述べていました。

トークショーの最後には、「広島国際映画祭に参加するたびに規模が大きくなっていることに驚くとともに嬉しく思います。来年は制作予定をしている長編映画で参加したいです」とメッセージを残しました。