ポジティブな力を持つ作品を、世界中から集めた映画祭。

【アート制作を通して平和を語る】デイム・ゲイリーン・プレストン監督のドキュメンタリー映画『グレース~平和への祈り』

11月28日(金)16:45から、NTTクレドホール第2会場で『グレース~平和への祈り』の上映と、デイム・ゲイリーン・プレストン監督のトークショーが行われました。トークショーは、映画に出演されていた小川妙子さんもご参加いただき、司会は西崎智子さん、通訳はサワダ ハンナ・ジョイさんで行われました。プレストン監督は、冒険心とその創作精神から、ユーモアと温かさのあるテーマを描き出し、ニュージーランド映画史に残る数々の作品を残し活躍されています。今回はアーティストのロビン・ホワイトさんに密着し、彼女の作品が生み出される過程を、独特の音楽性とリアル感のある映像でドキュメンタリー映画として創り上げています。



この映画を上映したのは、ニュージーランド以外では日本が初めてとなるそうで、監督もロビンさんも核兵器の影のある世界で育ったため、日本で上映することがミッションであり、今回広島国際映画祭で上映する夢が叶ったと語っていました。



監督が語るロビンさんの制作スタイルは、とにかく相手といろんな話しを夜更けまで語る。しかし、互いにアーティストとしての役割には口出しをしないので、ドキュメンタリー映画として距離が近くても問題にはならず、うまく撮影できたそうです。

監督は「映画というのは私達が行ったことない所に連れて行ってくれるものです。私の映画では必ず、忘れてはいけないトピックを入れてきました。それが今回は『広島の被爆の絵』であり、平和を考えることでした。辛いけれども、フィナーレは明るく終わらせたかった。この映画で印象に残っていることは、台本が無いのに、まるでドラマのように展開していき、多くの同じ感性を持った人たちと出会えたことです。この上映を広島でスタートとし、世界にも広めていきたいです。」と熱く語ってくださいました。



出演されている小川さんご自身も平和活動をされており、書道というアートによって被爆世代の方達との交流があり、原爆の経験をたくさん聞いてこられたそうです。アート書道を通して平和の大切さを世界に伝える必要があると思い、全国各地を回っている中で、ロビンさんと出会い今回ロビンさんのアートに書道を書くというコラボが決まった経緯をお話しくださいました。

プレストン監督は、今もロビンさんの作品制作を撮影しているそうです。今後の映画にも期待したいですね。