11月28日(金)11:45から、エディオン紙屋町ホールで『シケモクとクズと花火と』の上映が行われました。
本作品は、すべての撮影を広島県で行ったオール広島ロケ作品です。生きにくさを感じる現代社会で、登場人物達はそれぞれに悩みや虚しさを抱えています。そんな中、偶然の出会いをきっかけに自分や相手を知り、成長していく様子が描かれています。

上映後には、山岸謙太郎監督とゲストの遠藤裕美さんによるトークショーが行われました。聞き手はプロデューサーの水野上雄一さんです。 最初の話題は、山岸監督と遠藤さんの広島との関わりについてです。遠藤さんは「いつか訪れたい街だった。撮影時には広島の方の温かさを感じた」と語りました。また、山岸監督は「撮影で初めて広島県に来た。映画の撮影時はスケジュールに余裕が無かったので、今回は観光してみたい」と期待を膨らませました。
遠藤さんは本作品で主人公の杉山末子を演じています。演じるにあたり、昔の自分と重ね合わせた部分が多かったそうです。また、山岸監督は「夢もなく恋人もいない末子のような人物でも、彼女なりの正義や信念がある。彼女のような人物を映画にすることで、その人格を認めたいと思った」と、本作品の製作意図を語りました。

トークショーでは、映画を見た観客による質疑応答も行われました。喫煙シーンが多い理由を聞かれた山岸監督は、「社会的に認められていない、時代遅れ感が末子にピッタリだと思った」と語りました。また、タイトルにもある花火のシーンが印象的な本作品。撮影時は花火が中々着火せず、かなり苦労したそうです。また、撮影が行われた昨年12月は口が回らないほど寒かったそうで、急遽ストーブを用意したという裏話も。様々な制作秘話が語られた場面は、終始温かい雰囲気に包まれていました。

本作品は、来年1月31日から池袋シネマ・ロサにて上映が決定しています。今後の展望に期待が高まる本作品について、山岸監督は「派手な作品ではないかもしれないが、色々なことを発見したり気づいたりできる映画だと思うので、是非楽しんでほしい」と話しました。また、遠藤さんは最後に「また広島に戻ってこられて嬉しいです。たくさんの方に見て頂きほっとしています」と微笑みました。観客からの盛大な拍手で、トークショーは締めくくられました。