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11月23日(木)18時30分から横川シネマにて『静寂の羽音』の上映と、リカルド・ソト監督によるトークショーが開かれました。
メキシコ映画『静寂の羽音』は1910年から1923年にかけて起きたメキシコ革命が背景にあり、戦争に出た父親の帰りを戦火の中待ち続ける姉妹を描いた作品です。家から一歩外に出ると生死さえも分からなくなる極限状態での生活が描かれ、その中でひと時の団欒や一兵士との出会いを通して精神的に自立していく。革命下での戦争と姉妹の心情が全体的に暗めに設定されたトーンとモスキートの羽音を交えて表現されていました。
上映後には、安田女子大学 ジョン・マクリーン准教授を聞き手に迎え、ソト監督のトークショーが行われました。ソト監督は2019年の広島国際映画祭にて、国際短編映画コンペティション 審査員特別賞を受賞されており、今回が初となる長編作品となりました。『静寂の羽音』には、昨今の世情から「過去を知ることで現在を知り、過ちを繰り返さないで欲しい」という思いが込められています。
「歴史映画を観ることでアイデンティティを確立し、国を作り上げます」と監督は語りました。戦争を経て変わらないものと変わっていくものとは。実際にソト監督の曽祖父も革命に参加していた経緯があり、撮影に使われた家もかつて曽祖父が住んでいた家だそうです。(ちなみにセット周辺はマフィアが横行する超危険な場所とも…) 激動の最中、「暗闇の中でも光は必ずどこかにある」と『静寂の羽音』を通して伝えたいと語っていました。
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