広島国際映画祭 | HIFF » ニュース http://hiff.jp Thu, 25 Jan 2018 17:02:39 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=3.9.24 広島国際映画祭の閉幕式とコンペティション受賞作の表彰式がありました! http://hiff.jp/archives/4782/ http://hiff.jp/archives/4782/#comments Sun, 26 Nov 2017 14:09:15 +0000 http://hiff.jp/?p=4782

11月26日(日)19:00からNTTクレドホール第1会場で、閉幕式と国際短編映画祭コンペティションの表彰式がありました。
フリーパーソナリティーのキムラミチタさんと通訳のポーリン・ボールドウィンさんの進行で、始めに映画祭実行委員長の山本一隆から閉幕の挨拶があり、続いて世界中から集められた6作品で競う国際短編映画コンペディション受賞作の発表と表彰式に移りました。
まず、観客の投票で一番評価が多かった作品に捧げられる観客賞は、審査員のアルベルト・セラ監督が「どこの世界もお客様は神様と言われるが、その中で一番、評価が高かった作品」と紹介し、『ハンネと革命記念日』のギョーム・ブラック監督が受賞しました。登壇したブラック監督は、「日本で私の映画がよく理解されているのが嬉しい」と興奮した様子で観客に感謝の気持ちを表しました。
次に、審査員特別賞の発表に移りました。審査員のリティ・パン監督が「全員に賞をあげたい気分だったが、最終的に決まった」と、黄晟銘監督の『行き詰まって』の受賞を発表しました。まだ学生の黄監督は、「道に迷っていることもあった。何かをつかんだ気がする」と満面の笑顔で受賞を喜びました。
最後は、いよいよヒロシマ・グランプリの発表になりました。審査員長のキム・ドンホ監督が苦渋の選択だったことを吐露し、『棘と荒地』のマルタ・マテウス監督に授与することを発表しました。マテウス監督の名前が呼ばれると会場は歓声と大きな拍手に包まれました。ドンホ監督は、「ディレクションが素晴らしく、農民の生活をうまく表現していた。映像技術も優れた作品」と高評価し、太田川の砂で作ったガラスのトロフィーと賞金30万円を授与しました。マテウス監督は、「この映画のために働いてくれたすべての人に感謝したい。特に、役者でもない、読み書きも出来ない出演者の農民たちと働けたことを誇りに思う」と謝意を示しました。さらに「平和を広めている広島は尊敬に値する。訴え続けることは勇気のいること。言葉は人を助けることもあるが、人を殺すこともできるのだから」と広島に熱いメッセージを送りました。
最後に、部谷京子映画祭代表が「みなさん、広島に戻ってきてください。また、来年会いましょう!」と挨拶し、大きな拍手とともに2017年の広島国際映画祭が終幕しました。

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お越しいただきありがとうございます! http://hiff.jp/archives/4796/ http://hiff.jp/archives/4796/#comments Sun, 26 Nov 2017 13:51:58 +0000 http://hiff.jp/?p=4796

インタビューに応じてくださったのは、ポーランドと日本の方の素敵なカップルです。
「広島国際映画祭は初めて。今回は『エルネスト』しか観ていないので、次回はもっと作品を観てみたい」と、来年に期待をしてくださいました。

フレディさんの存在をこの映画で初めて知りました。
監督が、革命は継続という言葉をおっしゃており、またオダギリジョーさんの映画にチャレンジし続けるという精神に感銘を受けました。 普段は見れないような映画を見る事が出来てとてもよかったです。
来て良かったです。

ドンパチではなく、戦いの後の葛藤を抱えながら暮らしている姿を描かれており、日本人として考えさせられるものがありました。また、オダギリさんの役へ入り込んでいる姿を見て、より好きになりました。
広島でこういった文化系のイベントがあるのはとても嬉しいです。映画をよりみじかに感じる事が出来ました。

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広島国際映画祭2017コンペティション受賞作品決定! http://hiff.jp/archives/4729/ http://hiff.jp/archives/4729/#comments Sun, 26 Nov 2017 11:29:51 +0000 http://hiff.jp/?p=4729 広島国際映画祭2017の受賞作品は以下のように決まりました。受賞監督の皆さんおめでとうございます。

【ヒロシマグランプリ】
マルタ・マテウス監督
『棘と荒地』[製作国 ポルトガル]
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【審査員特別賞】
黄晟銘(ファン・シェン・ミン)監督
『行き詰まって』[製作国 台湾]
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【観客賞】
ギョーム・ブラック監督
『ハンネと革命記念日』[製作国 フランス]
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ヒロシマ平和映画賞に『エルネスト』 http://hiff.jp/archives/4731/ http://hiff.jp/archives/4731/#comments Sun, 26 Nov 2017 11:00:47 +0000 http://hiff.jp/?p=4731

11月26日(日)18時NTTクレドホール第一会場で、ヒロシマ平和映画賞の授賞式が行われました。審査委員長の福岡愼二さんが壇上に登り、受賞作品が発表されました。
本年度のヒロシマ平和映画賞受賞作品は阪本順治監督の「エルネスト」でした。
福岡審査委員長から阪本監督に賞状が授与されると、会場は大きな拍手に包まれました。
阪本監督は受賞のコメントとして「政府の言う平和・安心・安全と、自分の思うものは乖離していると感じる。平和というものは戦争と戦争の隙間に存在するものであると言う人もいる。平和はもしかすると一瞬の瞬きのようなものかもしれない。平和の名を冠した賞をいただけたことは大変光栄である」と自らの平和観を交えながら受賞の喜びを述べました。
主演のオダギリジョーさんは「僕は岡山で生まれ育ち、子供の頃から原爆ドームや宮島を訪れて、広島の平和との繋がりを感じながら育ってきた人間。広島で改めてこのような賞を頂くことは特別に感じる」と広島に対する特別な思いを語り、受賞の喜びを伝えました。監督の言葉を引用し、「平和は瞬きのような一瞬かもしれないというのは非常に重い言葉。戦争というものは国の利益のための争いで、国民の望むものではない。日本で、世界でその瞬きが少しでも長く続くことを望みます」と 平和への願いを捧げました。最後に「そう望みながら最終の新幹線で帰りたいと思います」と締めくくると会場は大きな笑いに包まれました。
その後、キューバ大使館のカルロス・ミゲル特命全権大使が登壇され、「エルネスト」のヒロシマ平和映画賞受賞に対するお祝いのコメントを述べられました。カルロス大使は「この作品はフレディ・マエムラのキューバでの生き様、自らの尊い命を捧げた姿を繊細に描いている。この作品には魂が込められており、物語を紡ぎながら登場人物の人間同士の巡り合わせを感じることができる」と作品に対する高い評価を述べ、「本作品がキューバ、日本、そして世界に平和のメッセージを伝えてくれることを祈念します」と締めくくると、会場は大きな拍手に包まれました。

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エルネスト上映満員御礼! http://hiff.jp/archives/4778/ http://hiff.jp/archives/4778/#comments Sun, 26 Nov 2017 10:55:21 +0000 http://hiff.jp/?p=4778

11月26日(日)15:00からNTTクレドホール第1会場で、阪本順治監督でオダギリジョー主演の『エルネスト』が上映されました。
日系二世フレディ前村ウルタードと革命家エルネスト・ラファエル・ゲバラの生き様を描いた作品で、日本とキューバ48年ぶりの合作です。発表に3年半、キューバでのロケは9ヶ月要したと言い、日本人スタッフは5人も病院送りになったほどの過酷な現場だったようです。キューバは社会主義国で、日本との違いが多いことから撮影が不安だった阪本監督。主演のオダギリジョーさんへのオファーは、あらすじを渡して「今すぐ返事をちょうだい」と話して承諾された。オダギリさんは「監督がとんでもなく困難な映画を撮ろうとしていることがわかったので興味を持った。厳しい場所に身を置かないと甘えてしまうが、監督の現場はとても厳しく監督の映画に出演すると初心に戻れるような気がする」と評しました。オダギリさんのスペイン語は現地の方が聞いても自然なようで方言も話されていたようです!
トークショーでは、聞き手のキムラミチタさんからお互いどのように思っているのかを尋ねられ、阪本監督は「ナイーブで流されない人。譲れるものと譲れないものがはっきりしている人。それがフレディと重なってキャスティングした」と言い、オダギリさんは「一言で言うなら、一番映画に真面目で誠実な監督。映画を中心に生きてる方」と言葉を丁寧に選びながら話してくれました。続いて「改めて本作はどんな映画だと思うか」との問いに、昔の時代の他国の歴史を描くわけだから、決して間違えられないという思いがあったとし「フレディの家族も知らない、学生時代の彼を描いた映画」と阪本監督。「特にお気に入りのシーンを教えて」という観客には、「一番は映画最後のストップモーション。影で見えづらいようだけど、台本にないショットで色んなものが感じられるシーン」。一方「村人が皆集まり、ろうそくを持って祈りを捧げるシーンに一番感動した」と語るオダギリさんは、「キューバの人たちの気持ちが共感できて、アメリカに対する怒りや自分たちに対する不満みたいなものに感極まりました」とも付け加えました。
ほかにも、オダギリさんのキューバ滞在中の話や、阪本監督の思う芸術とは何かのお話がテンポ良く展開され、最後は時間を惜しみながらのトーク終了となりました。

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兄弟の愛は『Brothers in Heaven』で http://hiff.jp/archives/4664/ http://hiff.jp/archives/4664/#comments Sun, 26 Nov 2017 10:00:51 +0000 http://hiff.jp/?p=4664

11月26日(日)12:00からNTTクレドホール第一会場で、韓国の有名な監督、パク・ヒジュンさんの9年間の空白期からの復帰作品『Brothers in Heaven』が上映されました。主演は優れた演技力を持つ魅力的な韓国の俳優、ソン・フンさんとチョ・ハンソンさんです。韓国・釜山を舞台に、幼いころに生き別れた二卵性双子の兄弟テソンとテジュが犯罪者と警察官として再会したことから生じる不和、許し、和解を描いた作品で、息詰まるアクションシーンと哲学的な象徴が宗教的な比喩で表されています。
上映後、パク監督とテジュ役を演じたチョ・ハンソンさんによるトークショーが行われました。映画の原題に、韓国で人気のチョ・ヨンピルのヒット曲「釜山港へ帰れ」が使われていることについてパク監督は「『釜山港へ帰れ』は、男女の切ない愛を描いた歌です。この歌に出てくる切ない愛のような、兄弟間の愛と失われた純粋な感情を見せたかった」と話しました。どこから映画のインスピレーションを得たかの質問には、「自分にも兄弟がおり、兄弟が各々の選択をする中で生まれる葛藤を描きたいと思っていた」と話しました。
チョ・ハンソンさんは、パク監督について「非常に誠実な方。争うシーンが多く、感情を作るのが難しかったが、監督が良い方向へ導いてくださいました」と話し、監督との深い信頼関係が伺えました。兄弟役のソン・フンさんについては「撮影期間中は一緒にいる時間が長く本当の兄弟のような感覚が芽生え、それが演技にもよい影響を与えた」と話しました。
最後にパク監督の「日本での公開予定はありませんが、今日の上映を受けて日本公開が決まるかもしれません。日本の皆さんがこの映画を愛してくださったらとても嬉しい」という熱いメッセージで、トークショーは締めくくられました。

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『ミリキタニの猫《特別篇》』の上映とトークショー http://hiff.jp/archives/4666/ http://hiff.jp/archives/4666/#comments Sun, 26 Nov 2017 09:21:19 +0000 http://hiff.jp/?p=4666 11月26日(日)13:00から横川シネマで『ミリキタニの猫≪特別編≫』が上映され、上映後にプロデューサー・監督のマサ・ヨシカワさんによるトークショーが行われました。聞き手はギャラリーGの木村成代さんです。
『ミリキタニの猫』(06)、新作『ミリキタニの記憶』(16)の2本立てとなる≪特別編≫は、広島国際映画祭が広島市初上映となります。1本目の完成後に分かった事実をこのままにしておくのはもったいないと、2本目を制作したと話すマサさん。ミリキタニ氏はアメリカ生まれの日系人ですが、生後すぐに一家で日本に戻り20歳近くまで広島で育ちました。

1本目の監督リンダ・ハッテンドーフさんは、路上で絵を描くホームレスのミリキタニ氏に興味を持ち交流を持つようになりました。日本の文化や日本語を理解したいと思っていたハッテンドーフ監督が、NYで声を掛けたのがきっかけでマサさんも制作に関わることに。
木村さんが「ミキリタニ氏に似てこられた気がする」と言えば、マサさんが「アメリカで映画を見た人に親戚か息子かと聞かれ、本人と間違われたこともある」と答え、会場は笑いに包まれました。
観客からハッテンドーフ監督とミキリタニ氏の関係性について聞かれると、「リンダは本当に優しい人、出会ってからほぼ毎日会っていたので信頼できる友達のような関係だった」と言い、自宅へ招き入れて世話をした経緯も「映画制作の為というより、9.11のテロ後に有害な煙が充満して路上生活は危険だった」という理由、晩年は毎日誰かがミリキタニ氏の様子を見に行った事、ミリキタニ氏にとって娘のような存在でもあったのではないかと話しました。
映画祭の期間中、会場近くの古本店「本と自由」でミリキタニ氏の原画が展示され、観客は足を運んで楽しんでいました。

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コテ・クール短編特集のトークショー! パスカル・セルボ監督の二つの顔 http://hiff.jp/archives/4726/ http://hiff.jp/archives/4726/#comments Sun, 26 Nov 2017 09:20:27 +0000 http://hiff.jp/?p=4726

11月26日(日)16:30からNTTクレドホール第二会場でコテ・クール短編特集『住民総会』、『ユーグ』、『物語を求めて』、『思い出の風景画』の4作品が上映されました。
上映後、最後の作品の余韻が残るなか始まったトークショーには、短編映画祭Côté court(コテ・クール)の設立者であるジャッキー・エヴラールさんと『ユーグ』の監督で『思い出の風景画』のキャストでもあるパスカル・セルボ監督が出演してくださいました。司会は広島国際映画祭国際プログラム担当の槻舘南菜子です。トークショーはエヴラールさんが4 作品それぞれの監督についてのお話のあと、セルボ監督への今回上映した映画に関する質問となりました。 監督についてのお話は、セルボ監督が俳優として多くの作品に出演していることから『思い出の風景画』のローラン・アジャール監督のお話が主となりました。セルボ監督はアジャール監督の演技の指示について「あまり言葉では説明しません。ダンサーへの振り付けのように動きについて指示します」と言います。
『ユーグ』についての質問では、セルボ監督は俳優でもあることから、エヴラールさんは『ユーグ』の主人公を俳優としての職を続けるか悩む男にしたアイデアの出所が気になったようでした。セルボ監督はこのことについて聞かれると「主人公を俳優にしたかったのではなく、裸の人間を映画のなかで描きたかったのです。これはドイツで裸の人間に遭遇した友人の実話を聞いて、そのときの心境や身体、裸であることの恥じらいと裸でいることの問題を考えました」との返答。不安を思わせるバーレスクを描きたく、悩む男と裸の人間をだすことで重々しい部分とコメディーの部分が共にある映画にしたと言います。また、エヴラールさんは『ユーグ』を観客に結末が開かれた映画だと感じたようです。セルボ監督は「結末だけでなく映画全体を開くようにし、観客の見方によって物語を作れるようにしています。これは、まだ映画監督としての自分の考えに責任を持つ自信がないためです。」とのお話でした。
今回のトークショーではパスカル・セルボさんの俳優としての面と映画監督としての面を垣間見ることができました。

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見終わった後、いつまでも頭に残る作品を作りたい!とマニヴェルは謳った http://hiff.jp/archives/4802/ http://hiff.jp/archives/4802/#comments Sun, 26 Nov 2017 09:00:34 +0000 http://hiff.jp/?p=4802

2017年11月26日(日)16:00から横川シネマで、ダミアン・マニヴェル監督の『パーク』が上映されました。若い男女の1日の出会いと別れを、公園の朝から夜、そして次の朝までを描く本作は、2016年カンヌ映画祭に出品された、監督の長編第2作目になります。上映前、監督自らが流暢な日本語で挨拶。「美しい作品ですが、ちょっと変でもあります」と語り、会場の笑いを誘いました。

不思議なリズムで編集された演出は、「コンテンポラリーダンサー時代のリズムが体に残って」と説明がありました。

上映後、監督のトークショーが開かれました。司会は、フリーアナウンサーの藤井尚子さんです。「自由な感じの物語の展開でしたが、脚本はどのように書かれたのですか」という質問に、「実は何も決めてませんでした。ラフなストーリーだけが頭の中にあり、後は俳優たちと撮影しながら、その都度相談しながら決めていく即興的なものでした」と答えました。次に、「なぜダンサーから監督になったのですか」との質問に、「映画もダンスも、体を使い、リズムが重要。だから特別な違和感はないです」と答えました。「映画の舞台になっている、大きな公園はどこにあるのですか」との問いには、「実は5つの公園をロケして合成したもの。ひとつに見えるのは映画マジック」と楽しそうに語りました。観客の、「とても面白かったです。映画の最後、彼女は女性として成長したのですよね」という感想・質問に、「彼女は成長したはずです。でも直接的な言葉では表さずに役者の表現だけにしてみました。気づいてくれて嬉しい」と喜んでしました。最後に、「国際映画祭の意義は」と聞かれ、「若い映画作家にとって、勉強になりいろんな監督との交流も広がるので有意義です」と答えました。「次回作は、五十嵐耕平監督との共同監督作品『泳ぎすぎた夜』。青森の少年の冒険の話です、ご期待ください」と笑顔で締めくくりました。

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『セルジュ・ダネーとジャン=リュック・ゴダールの対話』-果たしてこれは“対話”なのか?- http://hiff.jp/archives/4648/ http://hiff.jp/archives/4648/#comments Sun, 26 Nov 2017 08:48:26 +0000 http://hiff.jp/?p=4648

11月26日(日)10:30より、広島市映像文化ライブラリーで『セルジュ・ダネーとジャン=リュック・ゴダールの対話』が上映されました。

おびただしい量の映像、声、音楽、文字のコラージュによってゴダールの映画史観が展開される、全8章、約4時間半の大作「映画史」。その製作を始めた時期に、ゴダールと映画評論家のセルジュ・ダネーが「映画史」について語り合う。まるで観客が立ち合い人であるかのように、終始カメラは固定で対話を捉えていく。

約2時間の映像は、スイスのロールにあるゴダールの自宅兼アトリエでゴダールとダネーが対話をしている場面から始まり、そしてそのまま終わります。ダネーの持論に対し、果たしてこれは対話なのかと思わせるほど、タバコをふかしながら自由に話すゴダール。ほぼ自由連想と言ってもいい、脈絡のない、そもそも話の前提を崩して対話を成り立たせようとしないゴダール。しかし、それでもダネーとの不思議な信頼関係のようなものが感じられ、2人の話は止まりません。「映画史」に対する各々の思想が時に熱く、時にゆるやかに、時に和やかに、脱線しながら語られていきます。

上映後は、その濃い内容に圧倒された客席から現実に戻ったかのように徐々に大きくなる拍手の中を、ゴダールの研究をされている関西大学の堀潤之教授が登壇され、映画の解説が始まりました。
「皆さん、お疲れだと思いますので手短に話をしますね」と客席の笑いを誘う堀さん。「ゴダールという人を感じていただけたと思います。普通の会話をしようとしない、ハッタリも言う、しかしこれがゴダールの遊び心であり、クリティカルな会話術なんです」と語ります。この対話の4つのポイントは、一つ目はモンタージュについて、二つ目は見ることと言うことの対立について、三つ目はテレビと映画の関係について、そして四つ目は強制収容所についてです。映画の歴史や日本の映画についても織り交ぜながら、わかりやすく、面白く解説されました。
最後に「この映画に入っていない二人の言葉がたくさんある。みなさんの記憶に残る言葉を各自見つけてほしい」と締めくくると、客席からは大きなうなずきと拍手が起こりました。

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