広島国際映画祭 HIROSHIMA INTERNATIONAL FILM FESTIVAL

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2024/11/23

スペシャルインタビュー 『金花の歌声ー時を旅して』 ワン・ミンシア監督

「河の流れのように彼女の記憶は絶えることなく続いている」

彼女のドキュメンタリー映画を撮ることになったきっかけは、彼女の孫の一人でした。彼女は多くの古い出来事を覚えていて、その時代の台湾や日本、音楽や文化といった貴重な記録だからと。その記憶は本当にしっかりしていて、撮影のために何度聞き直しても同じ答えが返ってくる、きっとまた映画を作っても同じものを作れるくらいだそうです。膨大な彼女の記憶は途絶えることない河の流れようだとワン監督。

彼女が言う「昔の物は私以外、みんな無くなってしまった」という言葉がとても印象的でしたが、それはセリフではなく彼女から自然に出てきたものだそうです。また息子さんが押す車イスに乗って昔訪れた街や通りを歩きながらその街や通りの一つ一つにもう来ないから、とお別れを言う彼女。家族が「いつでも連れてきてあげるよ」と言っても、それはもう前と同じではないから、私以外みんな無くなってしまったから、という思いからだそうです。

広島の印象を聞いてみると、広島に来るのは初めてだが、来る前は歴史的な印象しかなかったが、街を歩いてみて活気に触れ、中国の古い言い回しの「浴火鳳凰」が浮かんだとのこと。鳳凰は「燃え尽きた後新しく生まれ変わる」の意味で、広島も悲しい歴史だけでなく新しいパワーある街であると感じたそうです。

広島国際映画祭については、呼んでもらっただけでとても嬉しいとのこと。これは小さな映画祭ではなく、そのセッティング、集まる国際的なゲスト、上映する映画の豊富さ、国際的ビジョンを持った意味のある映画祭だと感じだそうです。
次は広島で是非ドキュメンタリーを撮りたい、そして映画祭に帰ってきたいと語ってくれました。

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