広島国際映画祭 | HIFF http://hiff.jp Thu, 25 Feb 2021 03:43:09 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=3.9.34 「来年また、この会場で会いましょう」と高らかに閉幕 http://hiff.jp/archives/9269/ http://hiff.jp/archives/9269/#comments Mon, 23 Nov 2020 08:56:08 +0000 http://hiff.jp/?p=9269

11月21日、22日、23日の三日間、NTTクレドホールと広島市映像文化ライブラリーを会場に開催された広島国際映画祭2020の閉幕式が、NTTクレドホール第1会場で行われました。司会進行は日本語がキムラミチタさん、英語がポーリン・ボールドウィンさん。ゲストは『風の電話』『H story』の諏訪敦彦監督、『おかあさんの被爆ピアノ』の五藤利弘監督、『8:15』のエグゼクティブプロデュサー美甘章子さん、同作主演の田中壮太郎さんです。

湯崎英彦広島県知事からの挨拶を環境県民局文化芸術課長の岡村恒さんが代読し、閉幕式は始まりました。諏訪監督はスタッフやボランティアの尽力により無事にクロージングを迎えたこと、観客への感謝などを述べ、今年が映画界にとって大変な年で、映画文化の多様性を守る場所としての映画祭がこれからも開催されることに大きな期待を寄せました。部谷京子HIFF代表は「今年は縮小開催で寂しいと思っていたが、連日どの会場も熱気に溢れていた」と挨拶し、「来年また、この会場で会いましょう」と高らかに閉幕を宣言すると、会場は大きな拍手に包まれました。

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いよいよクロージング !『生きちゃった』上映と石井裕也監督のトークショー開催 http://hiff.jp/archives/9267/ http://hiff.jp/archives/9267/#comments Mon, 23 Nov 2020 07:55:49 +0000 http://hiff.jp/?p=9267 HIFF2020最終日の11月23日(月)14:00から、NTTクレドホール第1会場で『生きちゃった』が上映されました。ストーリーは・・・高校時代から仲のよい幼なじみの山田厚久(仲野太賀)と奈津美(大島優子)、そして武田(若葉竜也)。30歳になった今、厚久と奈津美は結婚し5歳になる娘がいる。平凡な日々を送っていたある日、厚久が奈津美の浮気を知ってしまう。突然のことに厚久は怒ることも悲しむこともできず感情に蓋をするだけ。3人の関係はこの日を境に次第に歪んでいき、物語は衝撃的な展開へと向かっていく…というものです。

上映後、HIFF初参加の石井裕也監督がステージへ。大きな拍手で迎えられ、トークショーがスタートしました。聞き手はフリーパーソナリティーのキムラミチタさん。本作は2019年、上海国際映画祭で発表された「B2B(Back to Basics)A Love Supreme」=「原点回帰、至上の愛」というまったく新しい試みのプロジェクト。香港国際映画祭(HKIFFS)と中国のHeaven Picturesが共同出資し、各映画製作者に同じ予算が割り当てられ、「至上の愛」をテーマに映画製作の「原点回帰」を探求するというコンセプトでアジアの監督6人が映画を製作したもの。「日本では自分に声がかかりました」と経緯を話し、「脚本を3日間で書き上げ、決定してから2ヶ月足らずでクランクイン。撮影は2週間」という強行スケジュールを明かしました。

キャストの仲野太賀さんとは、「家が近所で旧知の仲。映画に対してすごく思い入れのある人。いつかこの人と勝負したいと思っていました」と話し、この真剣勝負作に即オファーされました。友人役の若葉竜也さんについては「映画関係者からとても評判良い役者。聞けば大賀とは15年来の友人で、アカデミーの受賞シーンでお互い30分スピーチをし合うという“アカデミーごっこ“をして遊んでいたらしいんです。グッとくるエピソードですよね」と笑いを誘いました。大島優子さんは「生命力があって動物的で、強烈なものを秘めている数少ない女優。腹が据わっていて、トップアイドルは自分達とは鍛えられ方が違うな」と関心され、ゾッとするほどの怪演も大絶賛でした。

次回作はオール韓国ロケで「新しい家族の形」を描く作品。最後に「この状況下、この場を作っていただき、また会場に足を運んでいただきありがとうございます。映画に期待されているのだなと希望を持ちました。“映画にはパワーがある“と言葉で言うだけではウソっぽいですが、気合、気迫のある映画を自分も観たいし、観ていただきたいです。本作のように全力で生きている人の姿は真実。どうぞ映画を見捨てないでほしいです」と呼びかけ、締めくくりました。

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石井裕也監督ワークショップ「ボクが映画監督になった理由(わけ)」を開催 http://hiff.jp/archives/9265/ http://hiff.jp/archives/9265/#comments Mon, 23 Nov 2020 07:40:21 +0000 http://hiff.jp/?p=9265

11月23日(月)12:30からNTTクレドホール第2会場で、映画『生きちゃった』の石井裕也監督によるワークショップ「ボクが映画監督になった理由(わけ)」が開催されました。聞き手はフリーパーソナリティー、キムラミチタさんです。

会場からの大きな拍手で迎えられた石井監督は、終始穏やかな語り口で、映画監督になった理由(わけ)や作品作りの経緯、テーマや脚本、俳優へのこだわりなどを語ってくれました。石井監督は中高生のころ、自分と相容れない世界の居心地の悪さから脱却したいという思いを持ち、それを表現するには映画監督になるのが一番だと考えました。脚本づくりのこだわりについて聞かれると、オリジナルで脚本を書くときと、原作のある作品を映画化するときの違いを解説し、石井監督にとって、オリジナルで作品を書くときはストーリーよりも全体を貫くテーマが重要で、感じてきた時代の閉塞感から「どうやったら強く生きていけるか」を表現したいと語りました。原作を映画化する作品では、原作者が作品を通して伝えたい本質をつかむことが大切だと語りました。俳優にも強いこだわりを持ち、「自分と同等かそれ以上に作品に対して本気になってくれる人」と共に作品を作っていきたいと語りました。石井監督の作品では愚直に生きている主人公を応援するようなメッセージが感じられるが、どんな人を応援の対象としているのか?というTwitterに寄せられた質問に対しては、日々に何か足りないものを感じ、それを見つけたくて映画館へ行く人々に、全力で生きている人を見せたいと語りました。

最後に広島での制作の展望については、「コロナがなければ街を感じる時間を取って題材を考えたい」と述べ、会場からは大きな拍手が起きました。]]>
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オンラインアーカイブ配信は23日(月・祝)21時まで! http://hiff.jp/archives/9288/ http://hiff.jp/archives/9288/#comments Mon, 23 Nov 2020 07:30:28 +0000 http://hiff.jp/?p=9288 広島国際映画祭2020 閉幕いたしました!

たくさんの方にご来場いただきました。

3日間のオンラインアーカイブ配信は 23日(月・祝)21時までです!

https://www.facebook.com/hiffyjp/videos/?view_public_for=298441260333958

お見逃しなく!!

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映画を見て「たくさんの人に広島で何が起きたか知ってほしい」と語る原作者 美甘章子さんらのトークショー http://hiff.jp/archives/9263/ http://hiff.jp/archives/9263/#comments Mon, 23 Nov 2020 07:00:38 +0000 http://hiff.jp/?p=9263

11月23日(月)11時からNTTクレドホール第1会場で、J・R・ヘッフェルフィンガー監督作品『8:15』が上映されました。上映後は原作者で製作も手掛けた美甘章子さん、出演者の田中壮太郎さん、ニューヨークからのリモート登壇でヘッフェルフィンガー監督が加わりトークショーがスタートしました。聞き手は県立広島大学の矢澤利弘教授、通訳は安田女子大学の北原アンドレア准教授とジョン・マクリーン准教授です。

映画は広島市出身の被爆2世・美甘章子さんが父・進示さんの体験を描いた『8時15分 ヒロシマで生きぬいて許す心』が原作となっています。映画化はヘッフェルフィンガー監督から原作のプロモーション映像を作らないかと誘われたのがきっかけで、「監督が必要なシーンを厳選して素晴らしい映画に仕上った」と美甘さん。臨床心理医の美甘さんが映画製作に携わった苦労や、ヘッフェルフィンガー監督との奇跡的な出会いを振り返りました。原作は進示さんの希望により英語で書かれましたが「英語で書いたらお父さんが読めんよ」と言うと「自分のことが書いてあるんじゃけえ分かる」と言われたと広島弁で語り、会場は笑いに包まれました。主演の田中さんは留学経験があり、撮影には問題はなかったがモノローグの量が多く覚えるのが大変だったと明かしました。

『8:15』は第51回ナッシュビル映画祭で観客審査員賞を受賞(2020)。美甘さんは「今年はコロナ禍でオンライン開催となったため、アメリカの限られた地域だけではなく、より多くの人に鑑賞してもらうことができた。原爆が投下された時、そこにいた人々は一瞬にして消え去ったと思われていて、その後どうなったか知らない人もアメリカには多い。たくさんの人に広島で何が起きたか知ってほしい」と訴えました。『8:15』は現在、世界各地の映画祭に出品され、来年は日本での公開が予定されています。

※『8時15分 ヒロシマで生きぬいて許す心』は現在6カ国語に翻訳されています。

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部谷京子美術監督ワークショップ「映画美術とワタシ」 http://hiff.jp/archives/9261/ http://hiff.jp/archives/9261/#comments Mon, 23 Nov 2020 06:30:11 +0000 http://hiff.jp/?p=9261

11月22日(月)10:30から、NTTクレドホール第2会場で美術監督であり広島国際映画祭代表でもある部谷京子による映画美術に関するワークショップが開かれました。

いきなり「今日は1時間半の予定でお話しする予定ですが、3時間以上の仕事のデータがパワーポイントに入っていますから、もしかしたら時間オーバーするかも」と満員の観客に前置き、「自らの仕事の話を映画祭で語るのは初めて」とちょっと嬉しそうにワークショップが始まりました。この仕事に就こうとしたきっかけは、円谷プロでのアルバイトだったとか。「アルバイトの半分の給料になるよ」と脅かされながらも、お金よりもこの仕事をしたいという衝動が映画美術の始まりと語りました。その後、黒澤明、鈴木清順など巨匠との仕事を経てひとり立ち、周防正行監督の『しこふんじゃった』が初仕事でした。今日まで60本近い仕事をしてきた中から、『ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜』、『北の桜守』、『あん』、『リップヴァンウィンクルの花嫁』、『コンプリシティ/優しい共犯』、『宇宙でいちばんあかるい屋根』、『ヤクザと家族 The Family』を詳しく解説していました。どの作品にもいろんな思い出があるのか、時々涙ぐみながら語るのが印象的で、聞いている観客にもその気持ちが伝わっているようでした。

ワークショップ終了後、第77回中国文化賞受賞で花束の贈呈があり、多くの方に写真を撮られ、ちょっと照れている部谷代表がかわいく見えた最後でした。]]>
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11月23日 配信スケジュール!! http://hiff.jp/archives/9234/ http://hiff.jp/archives/9234/#comments Mon, 23 Nov 2020 01:24:49 +0000 http://hiff.jp/?p=9234 ■第1会場

[HIFF2020] 『8:15』 トークショー 11:50〜(トーク開始は11:51〜)
https://www.facebook.com/hiffyjp/posts/1674687139376023

[HIFF2020] 『生きちゃった』 トークショー 15:30〜(トーク開始は15:31〜)
https://www.facebook.com/hiffyjp/posts/1674687942709276

[HIFF2020] 閉幕式 16:00
https://www.facebook.com/hiffyjp/posts/1674919506019453

 

■第2会場

[HIFF2020|映画学校] 石井 監督ワークショップ 12:30〜
https://www.facebook.com/hiffyjp/posts/1674688462709224

 

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『照射[原題: lrradiated]』リティ・パン監督 被爆地ヒロシマを語るトークショー http://hiff.jp/archives/9146/ http://hiff.jp/archives/9146/#comments Sun, 22 Nov 2020 14:55:29 +0000 http://hiff.jp/?p=9146 HIFF2020二日目の11月22日(日)、NTTクレドホール第1会場でリティ・パン監督作品『照射 [原題: Irradiated]』が上映されました。上映後は、映画に出演したアーティスト美音異星人さんのパフォーマンスに続きBIONさんも登壇。カンボジアからはリモート登壇でリティ・パン監督が加わりトークショーがスタートしました。司会進行は広島フィルム・コミッションの西崎智子さんです。

広島で刺激を受けたものは何かという質問にリティ・パン監督は、「原爆=犯罪を知った衝撃。証言を聞いて、被爆者の苦しみが長く続く事に大きな衝撃を受けた」と答えました。多くの出会い、原爆、核兵器との戦い、被爆での記憶と体験との戦いなど話題は多岐に渡りました。監督の撮影に同行した西崎さんからは、リティ・パン監督の独特な撮影のやり方に驚きの連続だったというエピソードを披露しました。
映画の中で結婚写真が使われた田中祐子(さちこ)さんからは「何故、写真が使われているのか」という質問があり、監督から「思い出(歴史)は人の壊せないもの、痕跡として原爆で壊れていった中で残ったもの」と説明されました。本作が2020ベルリン国際映画祭最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した事を紹介すると、会場からは大きな拍手が沸きました。

リティ・パン監督は映画祭に招かれたことと広島での出会いに感謝を述べ、「皆様に希望を持ってもらいたい。また広島に行きたい」と締めくくりました。来広の際には広島名産のカキを食べたいというリティ・パン監督に、西崎さんが「食べましょう!」と返事をした途端中継が終わったので、会場からは笑いと拍手が起こりました。映画の題材は重いのですが、トークショーは未来に向けて明るい希望を感じさせ終了しました。

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美音異星人さんパフォーマンス「マスク・ガール」 http://hiff.jp/archives/9144/ http://hiff.jp/archives/9144/#comments Sun, 22 Nov 2020 14:50:06 +0000 http://hiff.jp/?p=9144

会場中に「3、2、1」とまるでカウントダウンするかのような電子音が響き渡ります。美音さんはその「1」のタイミングでかき鳴らされるギターの音に合わせ、手にした大根のような道具をギターのようにかき鳴らす真似をします。その際、美音さんはまるで衝撃を受けたかのようにゆっくりと体をよろめかせます。 音楽が止まり、座り込んだ美音さん。体を抱きしめ、そして再びゆっくりと立ち上がります。美音さんは自らに巻きつけられた白い布をつかみ、ゆっくりと剥ぎ取ろうとします。劇中でもあったパフォーマンスです。美音さんは自らの体を聴衆に見せ付けるかのように赤いワンピースをめくり上げ、剥ぎ取った布を日の光にかざすかのように持ち上げます。

緊張感あふれるパフォーマンスを聴衆は固唾をのんで見守ります。まるで時が止まったかと思うほどの時間のあと、ステージ上突然現れたマイクスタンドの前で大根のような道具をギターのように持つ姿はまるでフォークシンガーのようです。 「青い空 花が咲いてた でもそこは住めません」。語り掛けるように歌う美音さん。淡々としたメロディの中、「私の青春返せ」の叫び声は会場中に響き渡ります。 音楽が終わり、美音さんは「ありがとうございました」と一言。それまでまばたきするのもためらわれるような緊張から一転、会場は拍手で包まれました。]]>
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『風の電話』メイキング上映とティーチイン 傷ついた人にそっと寄り添う作品 http://hiff.jp/archives/9142/ http://hiff.jp/archives/9142/#comments Sun, 22 Nov 2020 11:50:06 +0000 http://hiff.jp/?p=9142 HIFF2020の二日目となる22日(日)18:00からNTTクレドホール第2会場で、諏訪監督の解説を聞きながら『風の電話』メイキング映像を見るティーチインが始まりました。

撮影中に俳優と打ち合わせするたびに台本を書き直してスタッフに配布するなど、撮影をより良いものにしようとする諏訪監督ならではの撮影エピソードからスタートです。

共に目的地を目指すことになる森尾(西島秀俊)は大人ではあるが、17歳の主人公と同じ傷を抱える対等な存在として押しつけがましい励ましはせず、「大丈夫」とただ一緒に過ごします。他にも、「食べろ」「生きろ」「大丈夫、大丈夫」と旅の途中で会う大人たちが主人公にかける励ましの言葉は一見シンプルにも思えます。共感はできても当事者の傷や痛みを理解することはできない、だから気の利いた言葉は言えない、だがそれでいいのではないか。痛みを抱える人にそっと寄り添う『風の電話』という作品の温かさを象徴する言葉でもあります。

作品には東日本大震災で家族を失った主人公や、豪雨災害や原爆の記憶をもつ登場人物のような傷を負った人たちが登場します。以前の作品と比べて作風が変わったのでは、という観客からの質問に対して、海外での活動が中心になっている諏訪監督が久しぶりに日本に戻り、被災地だけでなく過疎化が進んだ地方や農村を見て、日本のコミュニティが傷ついていると感じたと言います。「以前と比べて傷ついている人が多くなった今、あらゆる映画のあり方を肯定していきたいと考えるようになった」とポジティブな力強い言葉で締めくくりました。

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