広島国際映画祭 HIROSHIMA INTERNATIONAL FILM FESTIVAL

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2017/11/25

片渕監督&栩野幸知氏のトークライブ

2017年11月25日(土)10:00からNTTクレドホール第二会場で、片渕須直監督と俳優の栩野幸知さんのトークライブが行われました。

トークライブは、片渕監督から『この世界の片隅に』で方言指導と、憲兵さん、船頭さん、闇市のおばあさんなど6役の声を担当された栩野さんの紹介から始まりました。監督から「トッチーさん」の愛称で呼ばれる栩野さんは、『仁義なき戦い・頂上決戦』で俳優デビューし、俳優業の傍らガンエフェクトコーディネーター、劇用刺青師の技術が高く評価され、映画スタッフとして数々の作品で活躍されています。
発破技師の資格を持つ栩野さんは、監督の作品『ブラックラグーン』の「発砲屋トッチー」のモデルになったこともあります。栩野さんの父親が呉軍の兵曹長で、広島・呉をよく知る人物であったことから、本作では広島弁の指導に抜擢されました。方言指導では、北條サン役を務める広島出身の新谷真弓さんも携わりました。
長時間しゃべり続けられる軍人役がいなかったことも、栩野さんが声優を担当する理由になりました。海軍が身につける軍刀や小物、制服、鉄兜は、栩野さんの助言もあって、よりリアルに再現できました。
アフレコの際には、マイクの据え方にも凝り、機材の感度が高く、ページをめくる少しの動きも許されないため、あらかじめ台本を並べて録音するほど音にこだわっています。
質疑応答では「原爆の閃光と衝撃波の間隔が作品では約35.1秒だったが、実際と同じか」という質問がありました。監督は「実際は約55秒だったが、映画で表現するには尺をとることが難しかった。光と音が全く関係なく伝わってくるように、もう20秒長くすることで不気味さを表現できればよかった」と、表現の葛藤をのぞかせました。トークライブは作品制作の裏側に迫る中身の濃い2時間となりました。

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